在宅ワーク商法
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在宅ワーク商法とは
おもにターゲットとなるのは家庭の主婦が多いです。家事や子育てが忙しく、なかなか外に出られない等の理由から狙われやすいと言えます。
求人広告などで、「家庭にいながら収入が得られます」というような文面で釣り、仕事する際にはこの道具が必要だ。あるいは会員になる必要があるなどと持ちかけ、実際には微々たる収入にしかならないような仕事しか与えないという、数ある悪徳商法のなかでも特に悪質な部類に含まれます。
手口
一概に在宅ワーク商法といっても、その種類は様々です。ただし、悪徳と呼ばれている業者の手口はほぼ共通しており、仕事の種類や扱っている商品が異なる程度です。
ここでは、その数ある悪徳在宅ワーク商法のなかでも特に悪質かつ巧妙な手口のものを一例として紹介します。
よく新聞折り込み広告などで求人情報が入ってくるのを目にしますが、そこに、
「出勤なし!家庭にいながら、あなたの働きたいときに働けます!!主婦大歓迎」
などと書かれているものがあります。 仕事の内容は、パソコンを使った文書作成、封書の糊付け、宛名書きなどが多いのですが、そのなかでも最も多いのが宛名書きです。
まず、収入面について、チラシを見てみると1通50円などと書かれています。つまり、1枚のハガキもしくは封筒に住所と名前を書けば、それだけで50円得られるということなのです。
相場というものを知っていれば、この時点であやしいと思うのですが、相場を知らない人からしてみれば、「へぇ〜そうなんだ」という印象しか持たないかと思います。
そして、おそらくは試しに計算してみたりする方もいるでしょう。
「1日1時間やって、たぶん60通(余裕をみて1分に1通の計算)くらいかな・・・そして1ヶ月やると1800通。1通50円だから、1ヶ月で90,000円の収入か・・・」と。
これだったら、出来そうだし、収入にもなるし問い合わせてみようかな。という気持ちになり、電話をかけます。すると、後日、面接なり説明会なりで、会社に来てもらいたいと言われ、当然仕事をもらう身なのだから、指定日に訪問することになります。
そして会社を訪ねると、面接官がやってきて、最初は普通の面接形式で始まります。
「家は近いのですか?」 「これまで、どのような仕事をした経験がありますか?」
などと。
ここから以下、その面接官がどのようなトークを行うのか実際の悪徳業者のトーク内容を例に出してみます。
(業者は絵画販売です)
「まず今回、募集させていただいた、宛名書きのお仕事について説明いたします」
「私どものほうでは、定期的に絵画の展示会などを行っているのですが、それを顧客にお知らせするためDM(ダイレクトメール)を行っております。あなたにはその宛名書きをしてもらいます」
「もちろん、封書と顧客リストは当方で用意いたしますので、あなたはそのリストを見て住所と氏名を書くだけでいいです」
「簡単でしょう?」
「そして仕事のやりとりについては、当社からあなた宛にリストと封書を宅配便で送りますので、あなたはそれを書いて、着払いでかまいませんので会社まで宅急便等でおくってもらうということになります」
「そして、封書の糊付けや切手などは貼らなくてよろしいです。うちの社員が顧客に発送する際にいたしますので」
「そして1つ、説明を加えておかなければならないのが、1ヶ月あたりのDM発送量がきまっていますので、例えばあなたが1万通書きたいと言っても、できないんですよ」
「と言いますのも、顧客リストの人数に限りがありますので・・・ご理解ください」
「そして、おおよそですが、1ヶ月あたりコンスタントに1000通くらいお願いすることになります」
「これはどのくらいの量かというと、1日あたり約30ちょっとですので、時間にして20〜30分程度です。どうですか、この仕事できそうですか?」
「では、次にお給料について説明します」
「給料日は毎月25日に締めて、当月末日払いとなっています。支払い方法は口座振り込みとなっています」
「そして、収入に関してましては先ほど申し上げたように、だいたい1ヶ月で1000通として、チラシにも書いたとおり1通50円ですので、毎月約5万円の収入になります」
「実はこの数字、他社と比べてかなりいいんですよ」
「ちなみに宛名書きの相場は、安いところですと5円なんてところもあります。高いところでも、そうですねぇ。私の知る限り20円・・・かな」
「ここで、おそらく疑問をもつかと思います。なぜ、そんなに待遇がいいのかと・・・」
「いま、こちらの壁に絵が飾ってありますよね。そちらの作品は○○○○先生の作品なのですが、当社では先生と独占契約をしておりまして、先生の作品を流通させることに最大限のエネルギーを使っているんですよ」
「そして私たちは、宛名書きをするパートさんたちも同じ仲間と思って仕事をしております」
「なぜなら、DM発送というのは非常に重要なPR活動なのです。私どもは普段、宣伝活動にもっとも力を入れています。そういった意味で、一緒にPR活動を行う仲間として、パートさんたちを位置づけているのです」
「そのため、パートさんたちの仕事を高く評価して、1通50円という待遇にしているわけなんです」
「そういうこともあり、私どもでは宛名書きをしてくれるパートさんたちを"アートアドバイザー"と呼んでいます」
「そして、ここからちょっと重要なのですが、先ほどから申し上げてるように、パートさんたちも私たちと一緒に宣伝活動する仲間と思っておりますので・・・」
「そこで、こちらに飾られてる絵をアートアドバイザーの方に持っていただきたいと思っております」
「例えば、あなたのご自宅の玄関先などに飾ってもらって、そして来客者に対して、雑談程度でかまいませんので、若干絵の話などしてもらいたいと思っているのです」
「やはり、クチコミというものも重要ですし・・・」
「あっ 別にノルマとか、絶対に宣伝活動しなければならないというようなことはありませんので心配しないでください。ただ普通に飾ってもらうだけでも構いませんので」
「そうすることによって、あなた自身も絵について興味を持つかと思いますし、そうすれば宛名書きの仕事にも熱が入りますからね」
「それに、こうすることで絵が流通しますので、その分、絵の価値もあがりますし・・・もし、将来的にあなたが絵を売りたいと思ったらそれでも構いませんので」
「そしてアドバイザーさんに持っていただく絵はご自身で決めていただきたいと思います」
「人により、それぞれ好みがありますからね」
「だいたい、ここに飾ってある絵はどれも原価70万円くらいの絵ですね。なかには100万円くらいするのもありますが・・・」
「はい? そうです。絵を持っていただくということは、つまり・・・買っていただくということになります。もちろん原価でお譲りいたしますよ」
「ただし、心配しないでください。いまここで、70万円の絵を無理矢理買えとは言えませんし・・・そんなことしたら犯罪ですから」
「どういうことかと言いますと、クレジットを利用していただくことになります」
「ただし、あなたが直接、毎月のクレジット代金を払うわけではございません」
「と、言いますのも、先ほど申したように、きちんと毎月宛名書きの仕事をしていただければ、必ず口座振り込みで5万円入ります。そのなかから、クレジット代金が自動的に引き落とされることになりますから」
「つまり、その残りがあなたの実質的な収入となるのです」
「クレジット代金は、そうですねぇ。あなたがもしこちらの75万円の絵を選んだとしたら、60回払いとして・・・1ヶ月あたり15500円ですね。ですから、あなたの手取りは約35000円になるわけです」
「このため、当社では1通50円という待遇にしてるのですよ」
「それに1ヶ月35000円で計算すると、1通あたり35円ということになるのですが、相場が5〜20円ということを考えれば、それでもかなりいいですよね」
「それはあなた方アドバイザーさんを仲間と思っているからなんですよ」
「どうですか? 1日20分程度の仕事をするだけで35000円稼げて、しかも将来的に有望な先生の作品が手に入るわけですし・・・」
「それから、もし万が一ですが、あなたが例えば手など怪我してしまって宛名書きの仕事が出来なくなった場合などですね。そのような場合には当社で保障制度を設けていますので、その月が仕事ゼロでもちゃんと5万円振り込みます。俗に言う有給のようなものです。そして、この保障は6ヶ月ありますので・・・」
「これなら、安心でしょう?」
「そして、もし絵を売りたくなったらそれでも、構いませんし・・・ただ、その際には当社での買い戻しというのは行っておりませんので、他のギャラリーさんや或いはオークションなどに出すとよいでしょうね」
「私どもも今後がんばって絵を流通させて少しでも価値があがるよう努力していきますので、将来もし絵を売るときには必ずや今より価格が上がってるものと思います」
「それでは、ギャラリーに飾られてる絵の中からお好きな作品を選んでください。その後、契約書類の方に記入してもらいますので・・・」
このような形でトークが進んでいきます。
ここで、上記トーク内容をチェックしてみましょう。
1.「切手や封書の糊付けはしなくてよい」というのはかなりおかしな話です。
なぜ、パートに仕事を出すかというと社員の手間を省くためです。にもかかわらず、後でまた社員が切手を貼るなどの作業を行うのは無駄すぎます。
つまり、実際には封書に糊付けもしなければ切手も貼らない→発送しないということなのです。
2.クレジットが60回払いということは、すなわち5年間は仕事し続けなければならないということ。
その点をフォローするために保障期間を6ヶ月も設けているのだろう。
この保障は客を釣るためのエサにすぎない。
3. なぜ、買い戻しをしていないのか。
答えは単純です。儲からないからだ。つまり絵の価値は75万円もしてないということ。
4.そもそも、仕事をもらいに来て、しかもその面接に来てる人を相手に商品を売ることがおかしい。
他にもおかしなところは山ほどありますが、業者としては儲けることを第一主義としているので、そのための手段は選ばず、ただ商品を買わせるための理屈を述べているだけなのです。
上記のケースですと、確実に言えるのはクレジット60回を払い終わる5年後まで会社が存続してることはあり得ないということです。
商品を原価で売るということは会社には一切利益は出ません。また毎月の宛名書きによる給料代金の方が5年で考えた場合、絵の代金よりはるかに高くなってしまいます。
これは利回り上、破綻が容易に予想できます。
ではなぜ、この業者はこのような手法を用いるのかというと、短期間(3〜6ヶ月)で一気にアートアドバイザーを集めて大量の絵を売りさばき、その期間が終えたら事務所を空っぽにするからです。
そして、残りのクレジット代金は消費者が払い続けることになってしまうのです。
ここで気をつけなければならないのは、その業者が全国規模で行っている場合が少なくないということです。面接に行くと、会社パンフレットもしくは概要の書かれた会社案内など見せられ、
「うちは全国に10以上の支店があるんですよ」
などと説明されます。そして、
「これだけ大きな会社だったら、おかしなことはしてないだろう。安心だろう」
と思ってしまうのです。
小さな会社、大きな会社を問わず、悪徳業者は存在してますので気を付けてください。
また、上記のケースの場合、絵の原価が75万円というのは明らかな嘘です。
このような絵画関係の悪徳業者は全てシルクスクリーンやリトグラフといった版画絵を扱っています。なぜなら、油絵などは金額が高く一斉仕入れができないからです。
有名なシルクスクリーン作家ですと、ヒロ・ヤマガタやクリスチャン・ラッセンなどいますが、彼らの作品でさえ、原版でなければせいぜい高くても20万円といったところです。
無名の作家となれば、間違いなく0〜1万円です。0というのは、つまり売り物にならないということです。
彼らはただ同然のものを70万円〜100万円で売っているのです。
ここでは、一例として絵画販売業者を取り上げてみましたが、他にも部品組み立て(組み立てるための道具を高額で買わされる)やワープロ、パソコンを使ったデータ入力(どこのメーカーかわからないような粗悪なワープロを買わされる。もしくはその会社で設立された協会に入会するころが条件。入会金は数万円のところから数十万円のところまでいろいろ)などなど、様々な手口があります。
いずれも、時期をみて会社を倒産させたり、あるいは満足な仕事が与えられなかったりする点で共通しています。
また、上記のような宛名書き商法の場合、値段のわかりずらい商品を扱っている場合が多いです。絵画、宝石、貴金属、着物などです。
対応策
まず、在宅ワークで1ヶ月10万円以上稼げると広告しているようなところには注意が必要です(もちろん、SOHOなどの斡旋を行っている善良会社もたくさんあります)。
もし万が一、商品を買わされてしまったような場合はクーリング・オフできます。
また、クーリング・オフの期間が過ぎてしまった場合でも、この商法は仕事をあげることを条件として商品を買わせるケースがほとんどですので、抱き合わせ販売法違反に該当します。
従って、契約は解約できます。
しかし、既に「会社が倒産してしまっている」、「夜逃げ状態でオフィスがなくなってしまっている」などの場合はかなり難しいといえます。
仮に商品の受け取りがまだなようでしたら、クレジット会社に直接相談してみてください。クレジット金額の対象商品が手元にないのですから、対価が存在していないことになります。
そこで、抗弁権を主張して支払いを拒否できる場合もあります。
商品の受け取りが済んでいて、手元にあるようでしたら、本当に難しいです。
被害者の会が結成され、集団原告として訴訟問題に発展するケースと思われます。
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