あやしき日々2004.5.1〜2004.5.31


2004.05.24 貴志祐介『硝子のハンマー』 

2004.05.07 The War Magician 

 

本日の一言

2004年5月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

インデックスへ 最新のあやしき日々へ ホームへ


 

2004-05-31月


 2004年5月30日放映のNHK−BS2
『週刊ブックレビュー』の特集は「北村薫 最新作『語り女たち』を語る」

 司会で女優(ラジオドラマの脚本家でもある)の中江有里は北村薫の大ファンで北村作品のことを「女性の柔らかい部分を描きながらも、その女性の向かい側にある現実世界のきびしさをきちんと描いていて、でも絶望感を感じないんですね。現代社会に対する目が暖かい、そんな気がします」と話していた。

 北村薫作品のある一面を的確に捉えた言葉だ。

北村薫『語り女たち』(新潮社)

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-30日


 阿部和重『シンセミア』(朝日新聞社 2003.10.17発行)を読んでいる最中。

 これぞ、ノワール。

阿部和重『シンセミア』(上)

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-26水


 『ミステリ・マガジン2004年7月号(No.581)』の「特集=ノワール再考」で寄稿している人たちが共通して言っていることは『「ノワール」の定義は人それぞれ』

 たしかに。

 特にクライム・ノベルとノワール、ハードボイルドとノワールの区分けが人によって違う。

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-25火


 このムックの「まるごと作家」シリーズを買ったことは無かったがこれは買わねば。

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ


2004.05.24(月)

<本日の一冊>

 おもしろい。

 今の日本の不可能犯罪ミステリを書く一部の作家たちのひとりよがり密室ミステリはもうたくさんという気分なのだがこういった形の密室ミステリであれば歓迎。

貴志祐介「硝子のハンマー」
 角川書店 2004.4.20発行 定価¥1,600+税

 黄金時代の謎解きミステリ模倣作品でなく現代的であるところがいい。
 舞台は現代であっても黄金時代の謎解きミステリの物まねにしか見えないミステリはいらないのである。

 *     *     *     *

 密室に猿とロボットがからんでくるところがいい。
 まるで起源から未来までのミステリを包含しているようで。

 *     *     *     *

 探偵役がプロフェッショナルに仕事をこなしていく感じがもいい。
 ジェフリー・ディーバーの書く『ボーン・コレクター』その他の主人公リンカーン・ライムの仕事ぶりに近いと言えばよいだろうか。

 *     *     *     *

 と、ここまで書いてきてこのおもしろさは謎解きミステリのおもしろさと少し違うことに気がついた。

 謎解きミステリは謎に対し仮説を立てそれを証明していくという推理の過程を楽しむ物語であり、貴志祐介『硝子のハンマー』の第一部もこの過程が楽しくスリリングなのだがこの描き方は謎解きミステリでの描き方と少し違うのである。

 困難な状況を一つ一つその道のプロが克服していく過程を描いたものに近いのだ。
 つまりこれは冒険小説のおもしろさである。

 ストレートにそれが出た第二部に入るとよくわかる。

 *     *     *     *

 エレベータに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。
 厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。
 凶器は。殺害方法は。
 弁護士純子は、逮捕された専務の無実を信じ、防犯コンサルタント榎本の元を訪れるが。


 

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ


 

2004-05-19水


 本日のNHK−BS2夜
『中島美嘉コンサートツアー2004 “LOVE”』を見て聴いた。
 2004年5月4日東京国際フォーラムのライブと曲の合間に彼女のインタビューをはさんだ番組だった。

 ドラマ出演とその主題歌を歌うことで彗星のごとくの形容詞がふさわしいデビューを飾った彼女がそれ以来ヒットを続けている秘密は、歌が上手なことはもちろん楽曲にもめぐまれていることもあるのだが、あのハスキーがかった声質にある。
 

 本日のテレビ朝日19時『スイスペ!』は
『あなたは信じられるか超マジック奇跡の空間』

 エンターティメント性より「不思議」を強調した番組だ。
 Mr.マリックが超魔術でデビューした頃の番組と、デビッド・ブレインのストリート・マジック(最近ではテレビ東京の「奇跡のマジシャン・セロ」のストリート・マジック)を合わせた雰囲気のマジック番組である。

 マジック・マニアの観点から見るととてもおもしろい番組だった。
 感想はそのうちに。

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-18火


 本日のNHK−BS2衛星映画劇場、アラン・ドロン主演の『ブーメランのように』(Comme un Boomerang 1976年仏)の監督はジョゼ・ジョバンニ

 ジョバンニは先週のNHK−BS2衛星映画劇場放映のジャン・ギャバンとドロンの共演三作目『暗黒街のふたり』(Deux Hommes Dans La Ville 1973年仏)でも脚本を書き監督をしている。
 ほかには『ル・ジタン』(1975年作品)など。

 *    *    *    *

 フランスの映画監督・脚本家ジョゼ・ジョバンニは犯罪小説作家としてデビューした。

 作品のほとんどが映画化されている。
 自作品自監督は『ラ・スクムーン』(1972年作品)、『父よ』(2001年作品)などで、『穴』(1960年作品)、『冒険者たち』(1967年作品)などは他の人が監督をしている。
 一説によると映画『冒険者たち』には不満を持っていたらしい。

 読んだ作品は一作のみ。
 アラスカの犬橇レースを舞台にした彼の作品の中では異色作の『犬橇』(ハヤカワ文庫NV、品切れ)。
 ストイックな男たちを描いた傑作である。

 暗黒街出身の彼が書く犯罪小説は体験者だけが語りえる迫真の描写と義理人情の世界が描かれていておもしろいらしくクライム・ノベル好きとしては気になる作家。
 そのうち読もう読もうと思っていたのだが新刊本屋で入手できる作品が少なくなってきた。
 古書値が安いうちに買っておかなければ。

 *    *    *    *

 ジョゼ・ジョバンニ、2004年4月24日死去。
 享年80歳。

 インターネットを検索していて本日初めて知った。
 ミステリ・マガジンの7月号では追悼特集をしてほしい。

ジョゼ・ジョバンニ『父よ』(白亜書房)

 

 三橋達也の名前で思い浮かべるのは最近のものではやはり西村京太郎の十津川警部シリーズ。

 映画では黒澤明監督『天国と地獄』(1963年作品)、『悪いやつほどよく眠る』(1960年作品)より東宝のアクション映画『国際秘密警察』シリーズを思い出した。
 2、3ヶ月ほど前日本映画専門チャンネルで『国際秘密警察 鍵の鍵』(1965年作品)と『国際秘密警察 絶体絶命』(1967年作品)を見たからだ。

 007映画の影響のもとで作られたこのシリーズの三橋達也演じる国際秘密警察員・北見次郎は、同じ東宝アクション映画『100発100中』シリーズの宝田明演じるアンドリュー星野より硬派。

 『国際秘密警察 鍵の鍵』はハヤタ隊員こと黒部進を敵役に、浜美枝、若林瑛子のボンド・ガール女優と共演した作品。
 天本英世の怪演が楽しい。

 『国際秘密警察 絶体絶命』は都筑道夫原作。
 ただ、原作が何なのか見ていてよくわからなかった。

 どちらも三橋達也のアクションが光る。
 とくに射撃のシーンがすばらしい。

 *     *     *     *

 三橋達也、2004年5月15日死去。
 享年80歳。

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-17月


 はやみねかおる
『怪盗クイーンと魔窟王の対決』(講談社青い鳥文庫 2004.5.15発行 定価¥670+税)を読み終わった。

 これまでのクイーンものと少し毛色を変え伝奇小説風としているところがおもしろい。
 『いつも心に好奇心!』収録の『怪盗クイーンからの予告状』に次ぐ快作。

 感想はいずれ。
 

 本日放映のNHK−BS2の
『安室奈美恵 tour featuring best singles』を見た。
 2004年1月16日、東京国際フォーラムで行われたライブ録画である。

 Supermonkeys時代から聴き見ているが彼女の歌やダンスはあいかわらず切れがいい。

 彼女の唯一の戦略間違いは『Can You Celebrate』でいったん休みに入りこの曲で復帰したことではないだろうか。
 

 
『ミステリ・マガジン2004年6月号(No.580)「特集 クラシック・ミステリの秘宝」』(早川書房)を読み終わった。

 「早川書房はもっと現代の海外ミステリを紹介するべきでクラシック・ミステリの特集などしなくても良いのに」が持論だがクラシックでも謎解きミステリのみに焦点を当てていない今月号のような特集ならば歓迎。

 気が向いたとき感想を少しずつ書いていくことにする。

 *    *    *    *

ジェラルド・カーシュ『カームジンと王冠』(Karmesin and the Crown Jewels、1959年作品)

 たぶん「ミステリ・マガジン」か「EQMM」のバックナンバーで読んでいるのだろうがまったく覚えていないし『廃墟の歌声』も読んでいないので初めて読んだと言っていいカームジンものである。

 一作読んだだけではおもしろいのかおもしろくないのかよくわからない話だ。
 たぶん続けて二三作読んだほうが、できれば一作ごとにホラ度合いが大きくなる順番に読むとおもしろく読めるだろうシリーズ。
 五作以上続けて読むと飽きてくるかもしれないが。

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-12火


 本日のNHK−BS2衛星劇場は『サムライ』(Le Samourai 1967年フランス映画)。

 アラン・ドロンの代表作。
 フィルム・ノワールの傑作。
 ミステリ映画ベスト20の中に入れてもいい作品。

 ノワールというよりかぎりなくハードボイルドに近い。
 ハードボイルド映画ベスト・テンに入る作品

 甘いマスクのドロンがストイックにクールな殺し屋を演じる。
 部屋で小鳥を飼っていてその使い方がいい。

 *    *    *    *

 アラン・ドロンがただの二枚目俳優に終わっていないのはマスク以外にも魅力があることとフランス映画最盛期に活躍したのでその頃の素晴らしい監督たちに出会えたことによる。

『サムライ ジャン=ピエール・メルヴィルの映画人生』

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-10


 今週のNHK−BS2の衛星映画劇場とミッドナイト映画劇場はアラン・ドロン特集。

 二十年ほど前の二枚目の代名詞アラン・ドロンは、フィルム・ノワールの代表的な作品のいくつかに主演している。

 本日の放映は
『地下室のメロディー』(Melodie en Sous-sol 1963年作品)
 アラン・ドロンとジャン・ギャバンの初共演作品だ。
 ドロンがギャバンとの共演を熱望して実現した映画だとどこかで読んだ記憶がある。

 この作品は1964年のMWA賞(エドガー賞)・外国映画賞を受賞している。
 脚本 は『現金に手を出すな』の原作者アルベール・シモナン Albert Simoninとメグレものの『殺人鬼の罠をかけろ』、『サン・フィアクル殺人事件』のシナリオを書いているミシェル・オーディアールMichel Audiard。

 黒澤明『天国と地獄』がこの年の外国映画賞の候補だった。

パトリシア・ハイスミス『死者と踊るリプリー』

 

<読了本>

 
田代裕彦『平井骸惚此中ニ有リ』(富士見ミステリー文庫 2004.1.10発行 定価¥567)と『平井骸惚此中ニ有リ<其2>』(富士見ミステリー文庫 2004.4発行 定価¥567)を読んだ。

 『平井骸惚此中ニ有リ』はライト・ノベルのお約束ごとを守りながらの大正時代の探偵小説風味のある謎解きミステリ。
 おもしろい。

 『平井骸惚此中ニ有リ<其2>』は「閉ざされた山荘での連続殺人」という黄金時代ミステリの記号を持ってきたことで大正時代風味は薄れているがこれもまたおもしろい謎解きミステリだ。

田代裕彦『平井骸惚此中ニ有リ』  『平井骸惚此中ニ有リ<其2>』

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ

2004-05-09日


<読了本>

 
はやみねかおる『僕と先輩のマジカル・ライフ』(角川書店 2003.12.25発行 定価¥1,200)を読み終わった。

 語り手・僕こと井上快人の性格・行動だと大学生という設定に無理がある。
 中学生ぐらいが妥当、ぎりぎりで高校生か。
 この点だけ気になった。

 それ以外はOK。
 はやみねかおるらしい連作日常派ミステリだ。

 *     *     *     *

 井上快人がこの春合格した大学で、奇妙な事件が次々と起こる。快人は下宿先の先輩でもあり無理やり入部させられた「あやかし研究会」の先輩長曽我部、幼なじみで霊能力のある春奈とともに、これらの事件と向き合っていく。

はやみねかおる『僕と先輩のマジカル・ライフ』(角川書店)

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ


2004.05.07(金)

<本日の魔術>

The War Magician

 2004年5月6日のフジテレビ『奇跡体験!アンビリバボー』は第二次世界大戦中にドイツ軍相手にトリックを使い戦ったマジシャン、ジャスパー・マスケリンJasper Maskelyne(1902-1973)の話だった。
 来週も続く。

 詳しくは
こちら

 *     *     *     *

 『奇跡体験!アンビリバボー』の元ネタは海外のテレビ番組で、その海外テレビ番組の元ネタはデビッド・フィッシャーDavid Fisherの作品『The War Magician』(1983年作品)。

 トム・クルーズTom Cruiseが映画化権を持っていて2005年ごろにピーター・ウェアーPeter Weir監督で映画化されるようだ。
 ピーター・ウェアーは『刑事ジョン・ブック/目撃者』、『トゥルーマン・ショー』を監督した人で、最近作は2003年度のアカデミー賞の候補となった『マスターアンドコマンダー』。

 トム・クルーズはプロデュースのみで主演は別の人間となる。

 『The War Magician』は現在品切れだが映画化をにらんで再版される。
 映画が出来上がり日本公開になれば日本語訳が出るかもしれない。

 *     *     *     *

 『奇跡体験!アンビリバボー』の元ネタ海外テレビ番組は、たぶんイギリスのテレビ局「Channel4」の歴史番組『Real Lives』の「Magic at War」。

 詳しくは
こちら

 トム・クルーズが映画化するらしいことを知ってデビッド・フィッシャーの作品をドキュメント風に映像化したのだろう。

 *     *     *     *

 さてこの話、どうも嘘っぽい。

 話としてはおもしろいしジャスパー・マスケリンが第二次世界大戦中軍隊にいて何らかの作戦に参加したのは確かだろうがかなりの誇張があるような気がする。
 何十年かの秘密保持があるからといって、本当の話であればもう少しマジック界に知られていてもいいような気がするわけだ。

 根拠があってこのようなことを言っているわけではないのだが。

あやしかしの術へ

 

インデックスへ ページの先頭へ 最新のあやしき日々へ ホームへ


ホーム 新しきこと 

あやしき日々 あやかしの術 

 
己を語る 

喋るところ 語るところ 

つらなりどころ